2022.6.17
山口県中学校陸上競技選手権大会
大会1日目
前日(金曜)も夜まで長時間の英会話でした…
朝5時起きで
ユキちゃんと2人で競技場へ
ユキちゃん、「共通女子四種競技」に初出場
陸上競技の中でも
100mやマラソンなどの花形種目と違って
一般の人にはあまり馴染みのない混成競技
男子は中学が4種、高校が8種、一般が10種競技
女子は中学が4種、高校・一般が7種競技
総合力が問われる混成競技
ユキちゃんは小学校最終学年の3種競技(100m.800m.走幅跳び)に初出場で
県大会優勝しました…
中学からは1日で4種目
走って、跳んで、投げて、走る
トラック、跳躍、投擲の全てをこなす
とても厳しい競技
そこで戦い抜いた勝者・覇者は
競技者の中の競技者として
男性はキング・オブ・アスリート
女性はクイーン・オブ・アスリート
と呼ばれています
今だにユニフォームが届いておらず…
今回も混成出場選手の中で1人だけ
Tシャツと体操服のズボンで勝負します
県内全域から選抜された
強豪選手たちと…
しかも経験のある2年生と3年生ばかりで
1年生はユキちゃん1人…
正直、不器用な選手がこの種目を選択することはまず無いのですが…
ユキちゃんにとっては新しい経験や学びや試行錯誤の連続なので
ただ速くなりたい、人に勝ちたいという欲があまりないからこそ、好奇心旺盛な分、ある意味とても合っている競技でもあるなと…
技術の習得が難しく怪我もしやすいので
苦労は多くなると思うけど…
「できっこないを やらなくちゃ」
サンボマスターの歌じゃないけれど
あきらめないで どんなときも
まずは本命の「100mハードル」
第2組目8レーン
今回も両膝の痛みを抱えながら
9歩と4歩で行くと決め
最後まできちんと10台飛び越えることと
自己ベスト更新を目指して…
なんと、フライングが…
しかし、今回は別の選手でした
2回目のスタート
良いスタートで積極果敢に攻めるユキちゃん
勢いありすぎて2台目ぶつかる直前で高く跳んで避け
そこだけロスがあったものの
あとはスピード感のある4歩で
最後まで集中して
前回の走りを上回るスピードで
攻めの走りができていました…
速い上級生には敵わないものの
見事に、1秒以上自己ベスト更新!
出場選手の中で
1番小さな体のTシャツ短パンの選手が
ユキちゃん
ダウンをして、
すぐに2種目目の「高跳び」の招集へ
今日までに
少なすぎる背面跳びの練習…
今回、初めての背面跳び
全然飛べず、失敗…
試技は1番目
すでに追い込まれたユキちゃん…
ラストチャンスに集中
バーの直前で飛び越えることを辞めました…
バーなどに当たらず、時間内だからセーフ
ということで
柔軟に判断し、とても落ち着いていました
今度こそ… ラストチャンス
フワッと軽めに飛んで
腰と両脚がくるんと、するりと抜けて
見事に白旗で成功‼︎
ハサミ跳びのベストに並び
背面跳びのベスト
更に5cm高い次のチャレンジも
わずかギリギリでバーが落ちてしまい…
高跳びはこれで終了
直前練習では本当にヤバくて
記録なしになりそうな雰囲気でしたが…
本番に強いユキちゃんは健在でした
そして、3種目目は全く初めての「砲丸投げ」
やり方もルールもわからないことだらけ…
本番で学んでいく
にしても、やはり、なかなか厳しく…
1回目は線を越えてしまいファール
2回目は砲丸の落ちた場所がラインを外れて
赤旗でファール
記録なしのユキちゃんは
すでにラストチャンス…
他の2、3年生の選手たちが
応援してくれたようで…
最終試技の3回目
砲丸投げ、見事に初成功‼︎
特に午後は真夏のような暑さでした…
隙間時間は
チームメイトの応援も、しっかりと…
テスト勉強も、友だちと仲良く…
朝7時30分から動き続けて10時間…
その連続する10時間の中で
朝一の90分のアップに加え、4回のウォームアップと4回のクールダウンと4種目の全13回分の時間管理と身体の調整…
1日目のプログラムの最後は
共通女子四種競技「200m決勝」
湿度も気温も高く陽射しも強く
まさに真夏…
一日中、
初めての競技に緊張と集中が続いて…
大会の2日目があることもあり、
夕方17時を過ぎると
観客席にはほぼ応援者も選手も残っていない…
1番過酷な競技にも関わらず、注目されない…
応援者がほとんどいない中で
最後まで己に挑む選手たちに
心からのリスペクトしかない
スタジアムの寂しさと静けさがある一方
限られた者だけの
天気の暑さ以上の
熱い空気が流れていました…
そして
とてもありがたいことに
ユキちゃんのチームメイトの女子選手と保護者の方々が
暑くて遅い時間帯にも関わらず
そして明日もレースがあるのに
陽射しが強い中みんなで残って
応援してくれました…
そのことをユキちゃん自身は知らず
ただただ、レースに集中していました…
自己ベストを3秒も更新‼︎
「力が抜ける感じで関節が外れそうやった…」
「脚が全然動かんかった…」
と、後で話していましたが…
力を絞り出し、最後まで戦い抜きました…
救急車で運ばれる選手がいたほど
過酷なコンディションでした…
2日間を通して、そしていつも感じていることだけど
選手同士は大変さや苦しさを理解し合っている分、お互いに讃え合う文化がある
どんな結果であれ
数字という事実を受け入れるしかなく
何より実践者なわけで
選手は皆頑張っている
頑張っているのは選手であって
子供たちに自己投影し過干渉する
口だけの親たちではない
もちろん親の心配心や愛や感情は良く良く理解できるけれども
子どもは子どもであって子どもではない
1人の人として対等な尊厳で接しているか
大人たちが社会の奴隷だからと言って
我が子を奴隷にするのは間違っている
そのどちらも無意識だからこそ
逆に悪なのだけれど…
大人も親も皆ほんとうに
我が子のために尽くしている
しかも一生懸命に
だから皮肉な話
責めるでも愚痴るでも落ち込むでも妬むでもなく
まずは
大人が、親自身が
走ってみたらいい
誰にも見られなくていいから
記録も気にしなくていいから
自分の身体を動かすことを
生活動作や散歩ではなく
10mでも20mでもいいから
走ってみたらいい
全身を使って「走る」ということを
昔運動してたから走ったことあるから
じゃなくて、今
苦しさも
気持ち良さも
そしたら
もしかしたら
我が子や選手たちの本当の気持ちが
10分の1くらいは
わかるかもしれない
皆、記録を出したくない選手はいないし
負けたいと思っている選手だっていない
でも結果のある世界が競技スポーツ
0.1秒でも速く走るために
1cmでも高く飛ぶために
1cmでも遠くへ投げるために
0.01秒を争う世界なので
記録が全てと言えるほど
シビアな世界は当然として
その上で
陸上を通じて
どんな人物になっていくのか
大事なのはそういうこと
人を見下すような
敗者の気持ちがわからないような
感謝や謙虚の心を持っていない
ただ足の速い馬鹿になっても未来はない
競技者として、人として
どんな人物に成長していくのか
アドバイスや応援、サポートはするけれど
全ては本人が本人のために
自分の心に従って
何より楽しく
競技と向き合い歩んでほしいと願う…
さて、今回のユキちゃんの総合成績は
出場エントリーの選抜16名中総合12位‼︎
唯一の1年生ですでに
県大会8位入賞ラインが見えてきました
しかも共通種目
4種目とも100点満点と思えるほど
でしたが…
ユキちゃんの自己評価は
ハードル65点、高跳び70点
砲丸50点、200m70点
シビアで的確な評価を即答で下していました
3日後から始まる期末テストと、テストの翌日にある混成大会の目標も自分で決めて
大会の夜にはすでに、次へ進んでいました…
もっとゆっくりしたらいいのに
と思うけど…
ユキちゃんはユキちゃんのペースで
ユキちゃんの世界観で
心と身体の感覚を尊重して
何でもやってみたらいい…
親のためでも兄弟のためでもなく
学校や狂った社会システムのためでもなく
シンプルに
自分の心がワクワクすることを
優季はすでに
私の中の
Queen of athlete ‼︎
追伸:
大会2日目は いよいよ
真打登場です
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